【シングル】真皇杯ラスチャレ使用構築 ナットレイ入り受けループ




3/28に行われた、真皇杯ラスチャレで使用。
予選ブロック7-0で1位抜け、決勝リーグ2-3で決勝リーグ落ち。
3-2ならOppの関係で抜けられていたそうなので、3/29に開かれた本戦にあと1勝が足らず負けてしまいとても悔しい。



そもそも「受けループ」とは何か?

明確な定義はともかく、相手側にこちらのポケモンの突破手段を無くし、詰みに追い込むのがこの構築のスタンスである。

「負けない相手には事故が無く勝ちが濃厚、勝てない相手には事故すら起こせず負ける」のが普通のスタンとの決定的な違いである。
よって、普通のスタンの根本的な考え方である「勝てる相手を増やす構築」を目指すのでは無く「負けない相手を増やす構築」を目指す事になる。

これは当たり前のことだが、ポケモン対戦は勝てる相手には勝ち、負ける相手には負ける。
スタンの場合では、不利な状況でも勝ち筋を拾えることが多い。だが受けループにおいて不利な状況になってしまうと、構築の性質上勝ち筋を拾うことはとても難しい。

だが一方で、スタンは有利な状況だろうが相手の立ち回りや選出で事故を起こしてしまう事が割とある。
それに比べ受けループは有利な相手に対しては負ける事はほぼ無いと言っていいゲーム展開をする事が出来る。
これこそが受けループ最大の魅力であるため、この長所の部分を如何に伸ばすかが受けループ構築においてとても大切な事だと思っている。


以前考えた受けループ(http://d.hatena.ne.jp/coolg-nittan/touch/20140923/1411468855)では誤魔化し技やメガゲンガーを上手く使い2:2の状況から制圧、もしくは2匹でサイクルを回しメガゲンガーによる上からの一貫を狙う事を主としたスタンの動きを取り入れた形だった。
だが、今回の受けループでは制圧できる相手への事故率が低いラッキー+メガヤドランから構築をスタートし、取り巻きをこれらが埋められない穴を埋めるよう構築した。
これは「本来勝てるはずの相手との試合を落とさない」ための軸である。

そして、ORASで受けループを組むにあたって意識したのは新しく登場したメガ進化であるメガボーマンダ、解禁された新夢特性であるジャローダの存在。これらは構築段階で意識した。

上記の考えに基づき構築したのが以下の構成である。








◼︎ラッキー@輝石
325-x-62-55-157-71
地球投げ/卵産み/毒々/サイキネ


◼︎ヤドラン@ナイト
201-x-240-151-113-52
(201-x-163-121-113-52)
熱湯/電磁波/鉄壁/怠ける


◼︎バンギラス@ラム
207-171-149-x-132-82
イカサマ/追い討ち/岩雪崩/電磁波


◼︎グライオン@毒玉
179-129-163-x-106-123
地震/ギロチン/身代わり/守る


◼︎ゲンガー@ナイト
147-x-101-210-116-200
(147-x-81-170-96-178)
シャドボ/ヘド爆/挑発/道連れ


◼︎ナットレイ@ゴツメ
181-122-193-x-136-22
ジャイロ/ウィップ/宿り木/眠る







  • 個別解説-


【主な役割対象】特殊全般
受けループとは、ラッキー@5と言われるほど受けループが受けループたる所以のポケモンであり、採用理由は無い。
ラッキーの型は色々あるが、今回は毒サイキネ型を採用した。
毒・・・有利対面を取った後に一貫技となる。そして裏にいるグライオンや回復技持ちの駒と合わせることで、様々な相手に誤魔化しを行う事が出来る。悪巧みボルトへ刺せる技。
サイキネ・・・挑発道連れのような技構成を始めとした、挑発ゲンガーにレイプされない為のサイキネ。
ゲッコウガ等の両刀を考慮したH振りも一考だが、役割対象への遂行を考えた際のDを削った弊害を鑑みてD振り。
ハピナスとラッキーは、ガルーラとメガガルーラぐらい比較対象にならない。





【役割対象】物理全般
まずこのポケモンの最大の強みは「急所に当たらない」事と「凍りを即溶かせる」事である。これらの理由により、事故率がとても低い。
更に特性の再生力とBを引き上げる鉄壁により、物理受けを疲弊させる役割集中にも強くなれる。
扱う際には簡単にメガ進化させないで、ギリギリまで再生力をとっておきながらサイクルを回すことでサイクル参加し易くなる。
サイクル下で負荷をかけられる熱湯、誤魔化しの電磁波、物理を詰ませられる鉄壁。
リザードンYのソーラービームを耐える耐久を持つことで、リザードン入りに安定した立ち回りをする事が出来る。
構築の軸であり、基本的にラッキー+ヤドランで選出を組み立てる。






【主な役割対象】ゲンガー、ボーマンダファイアロー
一般的な受けループに採用されるバンギラスは、Dにかなり割いてゲンガーを見ようとする事が多い。だがDに割いた所で気合玉をたくさん当てられたら勝てないし、鬼火を食らうと追い討ちしても逃げられてしまう等後出しからでは安定しない場面がかなりある。
そこで成功追い討ちで167ゲンガーを一発、190気合玉耐えという最低限の数値を割き、残りはBに回して受けループが辛く、ORASから台頭したボーマンダに対して強く出せる型にした。
このHBで216捨て身+地震を耐える事ができ、受けループの課題である毒ボーマンダに対しても強くなれる貴重な駒である。

イカサマに関してであるが、基本的に起点阻止技である。対面で舞って裏をぶち抜こうとしてくる剣舞ガブリアスグロウパンチガルーラに対して起点を阻止しながら返り討ちにする事が出来る為に従来のバンギラスと違ってガブガルーラの並びに隙を見せ辛い。
身代わりマンダに対して、身代わりも割るために岩雪崩を打たないでも済むようになる。
電磁波は毒に強くなれる眠ると選択ではあるが、鬼火に後出しした際のラムを見せて引けないゲンガーに対して打てる技であったり、辛い相手に誤魔化し技であったりと便利なので切ることが難しい。
電磁波を採用しないのなら岩技はエッジだろう。

ゲンガーに対して遂行出来る出来ないは関係無しに、選出画面にいる事に意味があるポケモン






【主な役割対象】状態異常が入った全てのポケモンギルガルド、ピクシー
叩き落とす、状態異常の一貫を消せる貴重な駒。以前に比べ出せる構築が減り、汎用性を下げた代わりに役割対象への遂行性能を高めた3ウェポン+守るのような型が最近のグライオンでは見られるようになった。
だが、グライオンのメインウェポンである身代わり守るはPP枯らしやTOD、状態異常と合わせての誤魔化しなど様々な可能性を残す事が出来る、グライオングライオンである為の技と考えている。
そして役割対象であるギルガルドに対しての安定性が身代わりの有無でかなり変わってくる。これらの理由より、身代わり守るは決定。
はさみギロチンについてだが、これはスイクンを見てもTOD以外でラキグライヤドラン選出を出来るルートを作れ、更に受けループでは貴重な「無理な相手に可能性を残す事が出来る技」である。
実際この技に助けられた対戦は何試合もあり、この選択は間違っていなかったと思う。
Aを引き上げ、素眠りポケモンを上から処理できるルートを持たせた。

  • 配分意図-

A:
マンダの捨て身耐えニンフィア地震で確定3発
宿り木が入ったスイクンに対して地震で高乱数3発

B:
182+2逆鱗最高乱数以外耐え

D:
222祟り目乱数2つ切り耐え

S:
意地ガッサ抜き






【主な役割対象】ジャローダ、ガルーラ、挑発道連れで1:1が出来る全てのポケモン
グロウパンチの一貫を消せる枠であり、一貫を消すために、ラキヤドラン@1で2メガ選出もかなりある。
また、ヤドランを出さない場合に選出の軸となることもできる。
ヘドロ爆弾はマリルリを縛れる技であり、速攻打点となるので切れない。
オフでは個体用意が間に合わず祟り目鬼火で使ったが、挑発道連れによる1:1による誤魔化しが出来て相手のゲンガーと同速勝負が出来る最速にしたかった。
というかこの構築で鬼火祟り目にする意味があまりないので、挑発道連れの方が絶対良い。その為この記事では挑発道連れと表記した。
167ゲンガーを1発、残りは全て耐久で後出し性能を上げた。
1:1をして2:2の状態を作り出す事を目的とするポケモン
グロウパンチを消せる枠のゴースト枠で、ジャローダを逃さずに打点が持てる事が他のゴーストとは違う。






【主な役割対象】キノガッサスイクンボーマンダバンギラス、めざ炎が無いジャローダ
バンギラスのストッパーであり、ラッキー以外でスイクンを素眠りに追い込めるポケモン
ゴツメはガルーラマンダを始めとした相手へ定数ダメージによる誤魔化しが出来る。
ボーマンダに対してナットレイだけで見るようにすると過負荷や炎技を持っていた場合のリスクが高いため、裏と連携させて大切に使う。

ガブリアスを2発で落とせるジャイロボール、スイクンへの遂行技であるウィップ、裏へ負荷をかけられる宿り木、火傷しても回復出来る眠る。
素眠りポケモンは通常採用し辛いが、受けループのようにリカバリーが効く構築なら無理なく採用が出来ると考えている。
受け回しを見て出てくるポケモンに強い事が多く、実際かなり活躍してくれたポケモンだった。
光合成ジャローダに打点が乏しいが、リフストや光合成などPPが少ない技ばかりな為PPを枯らしに行くことが出来る。





  • 選出パターン-

・ラッキー+ヤドラン@1
・ゲンガー+ナットレイ@1
バンギラスグライオンナットレイ

ほぼこの組み立て以外は出さない。
4匹必要な選出になる場合は、選出を絞って出して勝てなさそうなら諦める。
スタンが無理な構築に2割、3割を引っ掛けにいくような事は基本的には出来ないため、その代わり事故率が少なそうな勝てる構築へしっかりと対応する事を考える。


受けループはいかに選出段階で勝てる構築を落とさないかが大切なので、そう言った意味ではラッキーヤドランは理に適った基本軸であった。
だがしかし下から動くだけでは無理な相手も多く、やはり下からアクションを起こす構築よりも上から相手を叩く構築の方が強いと再認識させられた。





スタッフを始めとした真皇杯に参加された全ての方々お疲れ様でした。





Special Thanks
〜個体用意等〜
あとり@mokemoke612
まなてぃー@mn_pkmn